コンサルタントの想い

はじめに

 職業人生48年、ここに至るまで、私には「3つの節目」がありました。

 

  第1の節目(成長):日本一の大手家電量販店において、ビジネスマンとして活躍。

  第2の節目(独立):良き創業メンバ-で「マ-ケティングコンサルタント会社」設立。

  第3の節目(発展):『人が嬉しくて、自分が嬉しいこと』をモット-に中小企業の成長へ向け、

            経営者の伴走者としてアジャストマ-ケティングプロダクツ」を立ち上げ。

 

 現在、このアジャストマーケティングプロダクツの「知的財産権」を武器に、クライアントの成長志向に向けた経営コンサル活動に従事いたしております。私の職業人生の3つの節目をご紹介させていただく中で、経営コンサルティングに込めた思いとクライアントの良き伴走者であることをお伝えできれば幸甚です。

 

  ※「アジャストマ-ケティングプロダクツ」以下、AMP(略称)とします。

  ※クライアントとは得意先や顧客のことを言います。

第1の節目(成長)
「大手家電量販店」への入社

商いの基本を学ぶ

 1969年、私は家電売上高日本一・全国に70店以上を構えた「星電社」へ就職しました。不安と緊張が入り混じった初出社の朝礼にて、全社員で「接客八大用語」を唱和し、私の商いの第一歩が始まったことは、今でも鮮明に覚えています。

 

 店頭販売の“肝”は、たくさんある店の中から当店を選んでいただきありがたいという感謝の気持ちを込めて、『いらっしゃいませ』とお客さまに笑顔でかける言葉に尽きるかと思います。

百貨店外商に憧れるも悪戦苦闘

 店頭販売3年目に入った頃、某百貨店の売り上げの「60%」を賄っているという外商制度に興味を持ちました。家電商品も「外販」という新しい業態づくりはできないものかと考え、上司に提案し、一般家庭外商課を20名体制で立ち上げました。

 

 セ-ルス極意の書籍に学び、トップセ-ルスのセミナ-、研修などに参加し、販売力の向上を図りました。しかし、一部の外商マンの成果に著しいものはあったものの、組織としての売上目標の達成にはほど遠く…悪戦苦闘でありました。

仕事師「岩佐三朗氏」との出会い

 岩佐三朗氏は、外資系の日本オリベッティ株式会社のオフィスコンピューター営業部に所属し、全国のグル-プで1位の地位を築き、7年連続の優秀賞を獲得した辣腕のスーパーバイザ-でした。その岩佐氏が、星電社の後藤博雅社長より招聘され、一般家庭外商課の部長として就任しました。

 

 岩佐部長は、一般家庭外商の改革に乗り出し、当時…我々の聞きなれない「戦略」「マ-ケティング」「システム化」の言葉を連発し、営業改革に挑みました。岩佐部長の指導の下、一般家庭外商課はV字回復を果たすことができたのです。

 

 成功の主要因は3つあります。まずは、戦いの場である市場を細分化し、勝ちの読める戦略市場の決定と攻略シェア目標を設定したことでしょう。2番目には、顧客のニ-ズ・ウォンツに応えるために、顧客情報をデータベース化したことでしょう。3番目は、営業管理システムの開発と教育による営業マンの早期育成ができたことです。

 

 V字回復を機に私たちは、一般家庭外商課から、営業戦略本部の「顧客情報装備型システムセ-ルス部署」として昇格となり、20名体制での始まりから、数年後には120名規模まで拡大しました。

「仕事師」岩佐三朗
出所:静風堂書店

 岩佐氏の活躍を目の当たりにし、知らず知らずのうちに私の心の中には、「師匠:岩佐三朗」がスイッチオンになっていました。その岩佐氏が、「もうやることはやった」と言い、星電社を円満退社された時にはかなりの衝撃を受け、自分の将来ビジネスへの道を真剣に考えるようになりました。

 

 それから1年後のことです。偶然にも岩佐氏と再会し、お話しする機会が得られました。岩佐氏は、それまでの「マスマ-ケティング」から「エリアマ-ケティング」への手法の変化を捉えつつ、「次は『パーソナルマーケティング時代』が必ず来るよ」と微笑みながら言いました。そして次に、「マ-ケティングコンサルタントの会社を設立するが、創業の仲間として一緒にやらないか!」と私をお誘いくださったのです。

 

 私は岩佐氏へ、即断速決で「よろしく、お願いします」と答えていました。 

第2の節目(独立)
株式会社ストラテジ&システムズコンサルタント立ち上げ

成果を保証するコンサルサービスへ果敢に挑む!

 当時、経営コンサルタントといえば、グロ-バルな「マッキンゼ-」「ボストン」、国内では「日本リテイリングセンター」「日本マーケティングセンター」等が活躍していました。

 

 岩佐氏と共に立ち上げた株式会社ストラテジ&システムズコンサルタント(略称:SSC)は、個人客のニ-ズ・ウォンツに対応した独自のパーソナルマーケティング手法を構築し、商圏戦略、中期経営計画、販売促進システムなどをト-タルにコンサルティングを行い、クライアントへ全プロセスのサポ-トを実践しました。成果を保証するコンサルサービスは、ビジネス誌・ダイヤモンド社の記者に目に留まり、マネジメント誌の最高峰「ハーバード・ビジネス・レビュー」にも紹介されました。

 

 SSCは、ソリューションアプローチを強みとしていたため、顧客視点でのマ-ケティング手法を開発することができました。ここに代表的なものをご紹介しておきます。

日本型リテールサポートの戦略/インテリジェント・セールス革命

【SSCの商品群】

①「日本型リテールサポートの戦略とシステム」(マネジメント社)

  ※中小企業庁の経営部門賞に輝く!

 

②「インテリジェント・セ-ルス革命」(ダイヤモンド社)

 

③「会計事務所の新成長戦略」(TKC広報部)

 

「紺屋の白袴」で終わらせず上場企業から多くのオファー

 クライアントの売上拡大に夢中になり、自社のクライアントづくりができていなければ「紺屋の白袴※」となってしまいます。SSCの新規クライアント開発は、日本能率協会マネジメントセンターとのセミナー開催、著書の出版、ビジネス誌への寄稿、クライアントの紹介等でした。

 

 幸いなことに、セミナーからは「キリンビール株式会社」、書籍からは「出光興産株式会社」、クライアントの紹介からは、「株式会社TKC」など、一部上場企業から多くのオファ-をいただきました。

 

  ※紺屋の白袴(こうやのしろばかま):他人のことに忙しくて、自分自身のことには手が回らないことのたとえ。

3年間で「売上2倍・地域1番店づくり」

 消費財メ-カ-のマ-ケティングチャネルは、「メーカー」 → 「卸売業(販売会社)」 →「 小売業(系列店)」であり、家電メーカー、化粧品メーカー、ビールメーカ-等が代表格でした。

 

 当時、メーカーより出荷された商品は、卸売業や小売業の「在庫」となり、結果的にはメ-カ-の業績悪化につながるため、各メ-カ-は、在庫解消策の有力候補として、小売業(系列店)の売上拡大支援策を打ち出しました。

 

 SSCは小売店に対し「3年間で売上2倍・地域1番店づくり」(以下「321戦略」という。)の成果を保証する独自のコンサルティングを展開しました。

 

 某メ-カ-は、321戦略を系列7店舗でテストしたところ成功裡に終え、その後も321戦略を全国に広めるため、SSCへコンサルティングの依頼を10年近くも続けられました。当然、321戦略のノウハウの蓄積・増殖をし続けたことは言うまでもありません。

『人が嬉しくて、自分が嬉しいこと』って、なんだろう!

 40代は人生の岐路に立つ年代とも言われています。私も47歳を迎えた時には、職業人生のドロップアウトの時期がいつの日か来るだろうと気づき始めていました。素直な気持ちで自分と向き合い、ノートとペンを持って自分の想いを書き続けました。

 

 最も重要なことは、経営コンサルティングという職業を天命とし、「仕事が楽しく、嬉しい状況を作り出す」ことができるか。それを起点とすれば、「クライアントも楽しく、嬉しい状況」を作り出す必要性が必然的に生まれてきます。『人が嬉しくて、自分が嬉しいこと』という職業人生の大きな岐路のテ-マに取り組みました。


編集後記

 今は亡き「岩佐三郎を偲ぶ会」には、多くの方々が参加されていました。オリベッティのOBが岩佐氏のことを、「岩佐君は近未来を予見するかのように『新しいビジネスモデル』を作り出すことに長けていた。彼のイノベ-ション力はまさに天才だな。」と評されていたことを覚えています。

 

 星電社からSSCを退社するまで25年間教えを受け、今の自分があるのは岩佐氏のおかげであることを忘れてはならないと肝に銘じています。現在、SSCは代表取締役荒木誠さんが事業承継を受け、活躍されています。

 

 

 岩佐令夫人、荒木社長とは今でも交流を続けており、それが私の唯一の楽しみになっています。


第3の節目(発展)
アジャストマ-ケティングプロダクツ設立

五十にして天命を知る

ホノルルマラソン

 人生100年とすれば、50歳で折り返し地点。50歳で人生イベントとして「ホノルルマラソン」へ挑戦し、完走できれば「経営コンサルタントの新たな道も切り拓くことができるだろう」と考えた私は、フルマラソンに向け、早朝ジョギング「7キロ」を3年間続けました。

 

 そしてついに、夢にまで見たホノルルマラソンを完走。最高の感動体験と生涯忘れることのない思い出になりました。

 

 ホノルルマラソンは人生転機のチャンス。孔子の訓えの「50歳で自分の真の使命を悟る(知命)」ことに気づきました。武者小路実篤の「この道より、われを生かす道なし」。

 

 職業人生における自分の真の使命は、「経営コンサルティングの新たな道を切り開く」ことにあります。 

経営コンサルティングを通じて、クライアントの「人材育成」を側面支援する

 大手の経営コンサルタントは、短期間でコンサルティングを行いますが、コンサルタントが去った後は業績がもとに戻ることも少なくないようです。また特に中小企業では、「経営ノウハウ」を導入しても、社内の人材不足やコンサルタントの報酬負担などが原因で途中解約をすることが多くみられます。

 

 しかし、「企業は人なり」という名言があるように、人材の成長と会社の成長が一致しなければ、企業の持続成長は困難を極めます。そこで弊社では3つのポイントを大切にして、クライアントの人材育成を支援しています。

 

  一つは、経営ノウハウをクライアントの「会社の業績」、「マ-ケティング活動」および「組織力」に応じて作り変えることに

  あります。

 

  二つ目は、経営ノウハウの導入研修とプロジェクトの立ち上げです。この際に重要なことは、プロジェクトリ-ダ-とメンバー

  が最初から最後までを自分たちで考え実行することです。コンサルタントの持ち込んだ「経営ノウハウ」に新しい命を吹き込

  み、「自社のノウハウ」へ転換できたという実感を作り出すことが大切です。コンサルタントはリーダーやメンバーに徹底的に

  寄り添う姿勢で真剣に関わります。

 

 このプロジェクト方式はコンサルタントが実際に作るよりは時間がかかりますが、この「時間」こそ、人材育成には重要で、3年

間のスパンで考えることが成功への近道の三つ目のポイントです。

「現場主義」のコンサルティングを実践

成長戦略と顧客づくりシステム

 AMPは現場主義のコンサルティングのため、1企業3年間を基本としてコンサルティングを実践してきました。もちろんその期間は、一切他の会社のコンサルティング活動を行わないことに決めました。中には、10年間にも及んだ時期もありました。

 

 クライアントは、「A社:洋・和菓子製造小売業(売上規模90億)」「B社:家電商品小売店グル-プ(売上規模10億)」「C社:地場ホームセンター小売店(売上規模3億~5億)」です。こうした中小企業向けのコンサルティングを50歳から68歳まで(18年間)継続し、クライアントから感謝いただいたことはコンサルタント冥利につきます。

 

 中でも、拙著「成長戦略と顧客づくりシステム」の中で成功事例として取り上げたクライアントに「書籍出版の記念パーティー」を開催していただいたことは、喜びに堪えませんでした。 

「成長戦略と顧客づくりシステム」ベストセラ-6位獲得。

ベストセラー

「知的財産権」を武器とする経営コンサルタントへ挑戦

 昨今、「IT」「AI」「IoT」等の技術の進展が社会を大きく変える原動力となっています。実際に我々の生活の一部に「ソニ-のロボット犬『aibo』」、「スマ-トフォンで家のエアコンスイッチオン」「キャッシュレス」などが入り込んできています。一方、企業では国の働き方改革により、労働時間、休日、給与の改善を図ることが労働基準法で義務付けられ、罰則付きとなり、労働生産性の向上は急務とされています。中小企業においても「IT化」による労働生産性の向上を進める優先度が日増しに高まっているのも事実です。

 

 『環境変化はビジネスチャンス』という格言があります。環境変化を対応できる企業のみが生き残れます。中小企業は変化へ対応できる強みがあります。なぜなら、トップの意思を組織内で上意下達させるには、時間を必要とせず、経営危機に対して即、大きなかじ取りができます。

 

 昨今、経営資源は「ヒト・モノ・カネ」に加えて、『情報(付加価値)』『時間』が重要視されています。トップの『経営情報力と時間(スピ-ド)』が会社の存亡を決めるといっても過言ではありません。

 

 企業の成長と経営危機への対応力は、会社の要となる「マ-ケティング」「財務会計」「人事労務管理」を『戦略経営構築力』として発揮し、スピ-ドアップにかかっています。

 

 2030年の市場を制する新たな企業の業績向上に向けた「マ-ケティングの革新」、「ハイブリッド型会計システムへの転換(財務会計・管理会計・人的資源会計を融合化した会計戦略とシステムの導入)」、「人事労務から人的資源管理への転換」のノウハウを備えておくことが肝要です。 

 

AMPは過去の成功体験にとらわれることなく、中小企業向けのAMP独自の経営ノウハウ「成長戦略と顧客づくりシステム」の改善・進化へ努めています。弊社の経営ノウハウは『知的財産権ミックス』で保証され、具体的には「戦略経営情報システム(信玄くん)」に包括 されています。

 

 2030年に向け、AMPは知的財産権を武器とする経営コンサルティングをスタートアップいたしました。

知的財産権ミックス「戦略経営人事情報システム(信玄くん)」

①特許証「特許第6627157号」

②商標登録証「登録第6098305号」

③実用新案登録証「登録第3219277号」


中小企業トップの参謀役の一人として「黒田官兵衛」を目指しつつ、長期にわたりクライアントの経営課題を解決する「ファミリードクター」でありたいという想いを強く持ち続けたいと思います。

最後まで、ご一読いただきましてありがとうございました。